長崎の心療内科 もとやま心のクリニック FLOWER GARDEN12月号 不眠症に役立つアロマ

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面接室からのたより

FLOWER GARDEN-12月号 ―不眠症に役立つアロマ―

(2009年12月09日掲載)
 今月号から、症状別に役立つアロマテラピーをご紹介していきます。今回は不眠症です。
 不眠症に悩んだことがあるという方は多いのではないでしょうか。不眠症と一言で言っても、眠れない状態は人によって様々です。寝つきが悪く、横になってもいつまでも眠れない。寝付くことは出来ても、すぐに目が覚めてしまう。怖い夢ばかり見て休まらない。朝いつもより随分早く目覚めてしまう…など。
 最近は、不眠症に有効な薬はたくさん種類がありますので、眠れない様子を病院で話して薬を処方してもらうことも良い対処方法です。しかし、『いつもより眠れていないけど、病院に行くほどではないな…』『病院に行くのはちょっと抵抗があるな…』という方に、アロマテラピーでのリラックスをお勧めします。

使用する精油

ラベンダー 副交感神経を活性化し、自律神経系のバランスを整え、心身症的な症状を緩和する
ベルガモット 抑圧された感情と漠然とした不安から心を開放し、深い部分からゆっくりと整え、穏やかでバランスのとれた精神状態に戻してくれる。
ネロリ 自律神経のバランスが乱れ心身の不調や緊張性の発汗や吐気、口の渇きがある時に。
プチグレン 1日中気持ちが休まらず眠りも浅い時に。中枢神経を抑制する作用が強い。
スイートマジョラム 副交感神経の働きを優位にする。興奮や神経過敏で眠れない時イランイラン、ラベンダー、ネロリ、オレンジなどと一緒にほんのり香らせるとよい。

 これらの好きな香りの精油をアロマポットやアロマディフューザー等に1〜5滴落とし、お休みになる30分前からお部屋に香らせます。もしくはティッシュペーパーに落として枕元に置くのも良いでしょう《10月号・芳香浴参照》。
 また、アロマバス《11月号・アロマバス参照》やアロマトリートメント(アロママッサージ)も有効です。皮膚から吸収された精油の成分は体中を巡り、効果を発揮します。精油ごとの様々な作用が、穏やかに眠りへの手助けをしてくれるでしょう。
 自宅でできるマッサージ(セルフマッサージ)として、アロマトリートメントのご紹介をします。もちろんプロのセラピストに行ってもらうと、マッサージは最高に気持ちのいいものです。しかし、プロに毎日お願いすることは難しいですね。日々の疲れを蓄積しないためにもセルフマッサージはとても有効です。身体がほぐれると、心も解きほぐされる気がします。心身をリラックスさせ、良い眠りにつくための方法として、取り入れてみてはいかがでしょうか。

アロマトリートメント(アロママッサージ)

 アロマトリートメントとは、いわゆる精油を使ったマッサージのことです。キャリアオイル(植物油)に精油を希釈(溶かして薄めること)してマッサージオイル(トリートメントオイル)を作り、身体に塗布してマッサージを行います。精神的なリラックス効果をもたらすと共に、体液の流れを促進しながら、皮膚から精油の成分を体に浸透させることで、高いアロマテラピー効果を心身に取り入れることができます。マッサージに関しては、とりわけ難しい技術が必要というわけではありません。作ったオイルを、マッサージしたい部分に塗布して、精油の香りとタッチングの心地よさを感じながら、優しく指と掌を滑らせてください。
 腹部やのど、背中など、自分の気になる症状がある場所に塗布するだけでも良いのです。時間がないときには、トリートメントオイルを軽く滑らせるように皮膚に薄く塗布しておきましょう。背中など自分でマッサージしにくい場所はパートナーにお手伝いしてもらいながら行うのもいいですね。

●マッサージオイルの作り方

 マッサージオイルは、精油の希釈濃度が1%以下になるように作ります。濃度が高すぎると、お肌のトラブルになるなど、問題が生じる場合がありますので、必ず下記の計算式に従って、精油とキャリアオイルの量を計量し、マッサージオイルを作ってください。精油の瓶には、1滴が0.05mlになるよう、オイルの粘性に応じて設計されたドロッパーが装着されています。このため、例えば50mlのキャリアオイルに対して10滴の精油を加えると、濃度1%のマッサージオイルになります。
マッサージオイルの作り方
(50mlのキャリアオイルを使う場合)
1. キャリアオイル50mlを量ります。
2. 精油10滴をキャリアオイルに加え、かき混ぜて、マッサージオイルを作ります。
(*下記計算式参照)
3. 作ったマッサージオイルを、身体に塗布して優しくマッサージします。
使うオイルの量の計算式 (50mlのキャリアオイルを使う場合)
1. 50ml(キャリアオイルの量) x 1%(希釈濃度) = 0.5ml(精油の量)
2. 0.5ml ÷ 0.05ml(精油1滴) = 10滴(精油の滴数)
上記計算式から、50mlのキャリオイル + 10滴のエッセンシャルオイル(精油)で
1%濃度のマッサージオイルができることがわかります。
各材料の使用量の早見表
キャリアオイルの量 10ml 20ml 30ml 50ml
濃度0.5%の場合の
エッセンシャルオイルの量
1滴 2滴 3滴 5滴
濃度1.0%の場合の
エッセンシャルオイルの量
2滴 4滴 6滴 10滴

●キャリアオイルの選び方

  キャリアオイルには植物油を使用するのが一般的です。たくさんの種類がありますが、中でもスイートアーモンドオイル、グレープシードオイル、ホホバオイルが比較的安価で使用しやすいかと思います。この3つは、どのような肌質にも合うと言われていますので、初めての方はこの中からまず選んでみてはいかがでしょう。

難しく考えず、まずは精油を1本選んでみることから始めてみましょう!
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