長崎の心療内科 もとやま心のクリニック FLOWER GARDEN2月号 痛みに役立つアロマ

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面接室からのたより

FLOWER GARDEN-2月号 ―痛みに役立つアロマ―

(2010年2月15日掲載)   体調不良の時、頭痛がしたり、腹痛がしたり、女性の月経痛(生理痛)や月経前症候群(PMS、月経前緊張症)、筋肉痛や打撲痛など、私たちは生活の中で様々な痛みに悩まされます。 「あまり薬に頼りたくない」「少しの頭痛くらいなら、薬なんか飲まないで我慢しよう」と思われる方も多いのでは?または、鎮痛剤を服用すると、胃が痛くなるので飲みたくないというお話をされる方もいらっしゃいます。   けがや打撲をしたとき、その刺激は末梢神経によって脊髄に伝わり、脊髄にあるゲート(門)が開いて脳へと伝えられ、はじめて「痛み」として認識されます。この痛みを感じるしくみに香りやタッチング(なでる、さする等のタッチ)、感情が関係することがわかってきました。   不安、恐怖の感情はゲートを開き、痛みを増幅する方向に働きます。また、長く続く痛みは交感神経を緊張させ、新たな発痛物質を作り出すことも知られています。   一方、喜びの感情、高揚感、やさしくなでる・さする等の触覚刺激はゲートを閉じ、痛みを軽減する方向に働きます。「痛いの痛いのとんでいけ〜!」が効果的なのは、言葉かけによる安心感やなでることでゲートが閉じるからです。   ゲートを閉じて痛みをブロック・軽減するという理論を「痛みのゲートコントロール説」といいます。指先を切る、針で刺すなどの瞬間的で鋭い急性の痛みの信号はとても速く伝わり、あまりブロックされませんが、慢性的で鈍い痛みの信号は脳へ伝わるスピードが遅く、タッチングや香りの刺激でブロックされやすいのです。また、心地よさを感じる香りや触れ合いは、鎮痛作用がある神経物質(脳内モルヒネ)の分泌を活性化すると考えられています。アロマテラピーで、できるだけ好みの香りになるように精油を調合するのはそのためです。   薬が飲めないとき、精油を利用してみるのも良いでしょう。即効性は期待できないかもしれませんが、狙いはまず、頭の中を痛みに支配されることをさけ、香りとタッチングで心地よい気分になることです。一番おススメなのは、植物油に希釈して(薄めて)痛む箇所に塗布し、軽くマッサージやタッチング(=なでさする)することです。 マッサージオイルの作り方は、12月号(H21)―不眠症に役立つアロマ―を参照してください。
●頭痛時にこめかみに少量塗り、ゆっくりと圧を加えてほぐす、または首の後ろをゆっくりと押す。
●のどの痛みには胸や背中に塗布する。
●胃痛には胸やみぞおちに塗布する。月経痛や月経不順など女性特有の痛みには、下腹部に塗布しマッサージ。
●腹痛には小さな円を描きながらおへそ周りを周回する。

もちろん、部分だけでなく全身に塗布するのもOK。肌の弱い方、皮膚の柔らかい部分は、刺激の強い精油を使用する際は注意してくださいね。

「痛み」に役立つ精油
ラベンダー 鎮静、抗けいれん、鎮痛作用。頭痛、筋肉のコリ、胃痛、月経痛などあらゆる痛みとけいれんのある症状に。
ベルガモット 精神面の作用が大きい精油だが、消化器系の働きそのものも強化するので、特に神経性の胃腸の問題に。精神的に負荷がかかったときに起こりやすい便秘や下痢、疝痛などに用いる。
カモミール・ジャーマン カモミールティーは「お腹の治療薬」として知られ、ピーターラビットの童話にも登場する(ヨーロッパでは常備薬として家庭でも植えられている!)。消化促進や抗けいれん作用で胃痛のときにおススメ。抗ヒスタミン作用があり、かゆみにも効果あり。
カモミール・ローマン 温める作用のある精油とブレンドして、痛み、けいれん、炎症がある部位に塗布する。
マジョラム(スイート) 炎症や痛みを抑え、筋肉のこりや痙攣を鎮める。痙攣性の咳や月経痛、肩こり、腰痛、神経痛に。
イランイラン 生理痛の時、腹部に塗布するとあたたかくなり痛みが緩和される。筋肉の痛み、痙攣や炎症にも。
ブラックペッパー 発痛物質の排出を助ける。末梢の血流を増やし、局部的に温めるので、冷え性・腰痛・肩こり・坐骨神経痛にも良い。リウマチ・便秘にも。刺激が強いのでごく少量のブレンドに使える。
ジンジャー 痛みやこりの緩和にかなり効果があり、ジンジャーを数滴加えたオイルを塗布すると筋肉が緩んで痛みが和らぐ。ラベンダー、マジョラムなどとのブレンドがおススメ。
ユーカリ・グロブルス 鎮痛、抗けいれん作用があり、リウマチ、神経痛、肩こり、打撲にも。香りが強く、咳込んでしまうことがあるので吸入には要注意。高濃度での使用は皮膚刺激があるので要注意!
ゼラニウム 月経痛、月経不順、PMSの人に。月経前のイライラにも向く。リンパや静脈を強壮し、体内の余分な水分や老廃物排出を助ける。
ネロリ ストレスからくる胃痛や疝痛、便秘や下痢、食欲不振にも。日に2〜3回、(希釈したオイルなどを)みぞおちや手首につける。
ローズマリー・カンファー 主に筋肉の問題に使われる。筋肉を弛緩させる作用に優れているので肩こり、筋肉痛、関節の痛み、腰痛、神経痛、筋肉の拘縮、リウマチなどに用いる。ごく少量で心臓を強壮し、血圧を上昇させる。多量に使うと神経毒性があるので、他のものにブレンドするとよい。
(一部参考:アロマテラピーの教科書 新星出版社)
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