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面接室からのたより

コラム「LOUNGE-8月号」怒りについて@

(2019年8月1日掲載)

 日中、耐えがたい暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

 私たちの心は天候に影響を受けるところもあるので、蒸し暑い毎日が続くと、例えばやる気が出ない、イライラしやすくなるといった気持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。今回は、そんな私たちの大切な気持ち・感情のひとつである “イライラ・怒り” について取り上げたいと思います。

 “怒り” とは、私たちの感情(不快感など)を表す大切なもので、誰もが持っています。ただ他の感情と比べると強いエネルギーを持っているので、振り回されてしまいがちです。また、溜め込みすぎるのは、心身の健康によくないと言われており、自分の怒りに気づき、自分なりの方法でコントロールできるようになることが大切だと考えられます。

 今回は、自分の怒りに気づく方法のひとつとして “べきを意識すること” についてご紹介いたします。

 私たちが怒りを感じる要因のひとつに、自分の信じている “べき” が裏切られることが考えられます。

 “こうあるべき” という価値観はひとりひとり違います。ある人にとっては当たり前・正しいと思うことでも、他の人にとっては必ずしもそうとは限りません。

 そこでポイントとなってくるのが、“べき” の境界線を考えてみることです。

 自分と同じ “べき” を持っている人もいれば、自分と全然違う “べき” を持っている人もいます。ポイントとなるのはAのところで、「まあいっか」「仕方ないね」と思える範囲を広げておくと、怒りに支配されることが少なくなっていくと考えられます。すぐ怒ってしまう、イライラしやすいと感じる人は、自分の中にある“べき”を意識してみてはいかがでしょうか。

(心理 Y S 記)

―待合室で読める本から―

「自分でできる対人関係療法」 水島広子著  創元社
対人関係、なかでも配偶者や子ども、恋人、親友など、最も身近な人たちとの関係は、心の健康に大きな影響力をもちます。「重要な他者」と「現在の」関係に焦点を当てて治療する「対人関係療法」についてわかりやすく解説しています。
「承認をめぐる病」  齋藤環著  日本評論社
他人に認められないと、自分が愛せない病。自分を認めてもらいたい気持ちに過度にこだわるとき、人はさまざまな病理を露呈します。気鋭の精神科医が世相を読み解きます。
「自信をつける心理学」  加藤諦三著  大和書房
劣等感の強い人は人を愛せないし、好きなことも見つからず、人間関係もうまくいきません。そのような劣等感に悩まされないために、大切な「心の持ち方」「ものの考え方」を、心理的な法則に沿って説き明かしてくれます。
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