朝夕はだいぶ涼しくなってきました。昼間はまだまだ暑さが続いていますが、体調は変わりないでしょうか。子どもたちは長期の夏休みを経て、新学期に入りますね。学生さんたちにとっては、「やっと学校が始まる!」とウキウキしている子もいれば、「学校が始まってしまう・・・」と気持ちが沈む子もいると思います。さて、「9月1日問題」という言葉をご存知でしょうか。内閣府が発表した自殺対策白書によると、18歳以下の日別自殺者数は9月1日が最も多いと報告しています。9月に入ると子どもたちの心身が不安定になり、不登校になったり、最悪の場合、命を絶ってしまう子が増えるということです。
そういったこともあり、文科省主導のもと、学校現場では児童生徒の自殺予防に関する普及啓発協議会が各地で開催され、長期休業明けの注意事項についての情報が各地で共有されています。学校ではスクールカウンセラーの配置が進み、9月の休み明けは特に丁寧に生徒対応することがうたわれています。
さらに、社会での動きも進んでいます。大きなきっかけとなったのは2015年の鎌倉市の図書館によるツイートだと思われます。このツイートから、「9月1日問題」が大きく知られるようになりました。
このようなツイートをきっかけに、子どもたちの居場所を増やそうという社会の動きが少しずつ進んでいるようです。社会や学校での対応はもちろんですが、肝心の家庭ではどのような対応をとればよいのでしょうか。自殺リスクが高まっている子の前兆として夏休み前から「宿題ができていない」「体調不良を訴える」「学校へ行きたがらない」などの言動がみられることがあります。一見ささいな言動に見えることがあっても、目の前の子の話をしっかり聞いてあげることが大切です。そこでもし自殺の危険に気付いた時は「TALKの原則」という方法があります。
Tell・・・・心配していることを伝える Ask・・・自殺について率直に尋ねる
Listen・・・絶望的な気持ちを傾聴する Keep Safe・・・安全を確保する
学校がつらいと感じている生徒さん本人へ、1つの支援としてNPO法人が行っている「チャイルドライン」というものがあることを知ってもらいたいと思います。ここは様々な悩みを抱える子どもたちの電話相談を年間20万件以上受けており、子どもたちの心に寄り添う支援を行っています。つらいときに利用できる資源の1つとして頭の隅においてもらえれば、と思います。
(心理Aya.T 記)