寒さが厳しくなってきました。風邪など体調を崩している人もおられるかもしれません。体の調子が崩れるとこころの調子にも影響を与えます。冬は心身の不調をきたしやすい季節ですが、仕事や学校、家事育児に休みはありません。厚労省の調査によると、精神疾患で病院を受診される人の数は年々増加傾向にあり、H26年度の調査では390万人を超えていたようです。そのうちの9割は20歳以上の方だったそうで、働きざかりの年代が多くみられました。厚労省はH27年から一定の職場で従業員へのストレスチェック制度を義務化し、労働者へのメンタルヘルス対策に力を入れているようです。メンタルヘルスのために良いとされている方法はいくつかありますが、今回は「笑い」をテーマにお話していこうと思います。
ユーモアや笑いがストレスを解消し、病気を遠ざけることがさまざまな研究でわかってきています。笑うことは心理学的には快感情の1つで、怒りやつらさのような不快感情とは区別されます。自分自身が不安定なとき、笑いは起こりません。俳優の妻夫木聡さんが出ているグリコのCMでは笑顔をテーマにいくつかの笑顔に関するトリビアが紹介されています。その中に「子どもは1日平均400回笑う、大人になると15回に減る」と紹介されています。なぜ年齢を重ねるにつれて笑わなくなるのか、この原因の1つにストレス説があがっています。他にも脳機能の要因があるのではないかという説もありますが、今のところはっきりしていません。
笑うことは脳のはらたきの活性化、痛みの軽減、がんの進行を遅らせるという研究報告もあります。メンタル面では、笑いにつながる快感情の積み重ねはストレスを上手く乗り切れるようになり、ストレスそのものも少なくなるということで、笑いが心身に与える効果は多くあります。とはいえ、気分の沈んでいる時に笑うのは難しいものです。そんなときは心からの笑いでなくとも作り笑いでも効果があるそうです。割り箸を加えて口角を強制的に上げるのも良いそうで、作り笑顔だとしても脳は「笑っている=楽しいことがあった」と錯覚してしまいます。「なんか最近きついな」「仕事に行くのが嫌だな」「ゆううつだな」そんなふうに気分が落ちている人は日常の中で少しだけ笑うことを意識してみてはいかがでしょうか。
(心理Aya.T 記)