長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-8月号」夏の不眠症対策

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面接室からのたより

コラム「LOUNGE-8月号」夏の不眠症対策

(2017年8月1日掲載)

夏の睡眠が寝入りづらいことは、誰しも経験していることでしょう。夏の睡眠にかぎらず、睡眠の環境として大切な要素には、温度、湿度のほかにも、明るさ(光)、騒音、布団、枕、寝巻き(寝間着)などがあります。香りも睡眠に影響します。寝室環境がどうなっているかで、寝入りやすさや睡眠の質が違ってくるのです。このなかで睡眠環境として大きなウェイトを占めるのは、温度、湿度、騒音でしょう。温度は季節によって、適温が異なります。春や秋は放っておいても20度くらいの適温になるので、問題はありません。冬は布団を多くすれば対処できますし、寒いのは最初だけです。問題となるのは、熱い夏の睡眠でしょう。夏の睡眠を快適にする室内温度は、上限が28度、低くて25度くらいになります。室温が28度より高いと、湿度の影響を受けて寝付けないことが多くなります。室内温度が28度だと、湿度が80パーセントと高くても何とか眠れます。25度なら、どのような湿度であっても快適に眠れる温度になります。

 夏の睡眠の対処法として一般的なのは、クーラーを一晩中つけているという方法です。この場合、体を冷やし過ぎないように注意しましょう。体を冷やしすぎない28度くらいの設定がいいかもしれません。そうすれば、寒くて夜中にクーラーをつけたり消したりしなくてすみます。そのほか夏の睡眠の乗り切り方として、足先からすねのあたりに扇風機の微風を当ててもいいでしょう。この場合、直接当てずに、いったん壁に当てて跳ね返ってきた風を肌に当てるようにしましょう。顔や胴体に当てるよりも、ヒザから下に当てるほうが寝入りやすくなります。風を感じるか感じないかという程度が、肌を冷やさずいいようです。扇風機だけでも体感温度はかなり下がり、快適に寝入ることができるようになります。

夏の睡眠を快適にする湿度は、50〜60パーセントあたりになります。夏の睡眠環境は、湿度のコントロールがもっとも大切です。じめじめして湿度が高いと、どうしてなかなか眠れないのでしょうか?それは手足が湿ってしまい、気化熱とならずに、手足の温度が下がらないからです。人間は寝入るときに手足が熱くなって、汗を蒸発することによって、手足の温度を下げています。つまり手足がラジエーターのようになって、手足で冷やされた血液を体内に循環させることで、体の深部の体温を下げているのです。手足が湿っていると、いつまで経っても手足の温度が下がらず、結果として体温が下がらずに寝付けなくなるのです。

以上のことから夏の快適な室内環境は、温度が25〜27度、湿度が50〜60パーセントあたりということになります。この条件が整ったときに、快適な寝床内気候がしぜんと実現されます。室温や湿度から、寝床内気候をコントロールするわけです。適切な布団内の気候は、温度が33度前後、湿度が50〜60パーセントだといわれています。寝床内が33度前後だと、手足の温度がもっとも下がりやすくなり、体温が効率よく下がってきて、スムーズに眠ることが可能になります。人は一晩のうちにコップ一杯分の汗をかくといわれています。夏の睡眠では、それ以上の汗をかくことになります。エアコンで室内環境をコントロールしていれば、それほど汗はでませんが、扇風機を使っていると、かなりの汗が布団に吸収されることになります。そのため寝間着は通気性、吸湿性、皮膚に張り付かない素材、えりや袖口が開放的なものを選ぶと、夏の睡眠をさまたげないようです。

「安眠方法と不眠症対策」より引用

―待合室で読める本から―

「スーッと脳の疲れがとれていく! 1日3分 マインドフルネス瞑想」(扶桑社) 成瀬 雅春 著
自分を知るための有効な方法として「マインドフルネス瞑想」があります。
瞑想を行うことでぶれない自分がつくられ、自分が抱えるちょっとした悩みや心のざわつきから心が解放されていきます。
「幸せになる! 心に効く処方箋 (TJMOOK)」(宝島社) 有田 秀穂 著
イライラや不安、朝がつらい、うつっぽい、眠りが浅い、情緒不安定などの状態から抜け出すために役立つのは、脳内ホルモンをしっかり機能させることです。日光浴や、涙を流す、塗り絵をする、人に親切にするなど、日常的にできる簡単メソッドが掲載されています。
「よくわかるうつ病 診断と治療、周囲の接し方・支え方 (別冊NHKきょうの健康)」(NHK出版) 尾崎 紀夫 監修
気分が落ち込み、何も楽しくない状態が続く方への指南書です。病気の基礎知識、検査・診断、間違われやすい病気、薬や精神療法などの治療、再発防止、職場復帰、周囲の接し方など、うつ病に関する情報をわかりやすく解説しています。
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