長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-2月号」眠れない夜の過ごし方

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コラム「LOUNGE-2月号」眠れない夜の過ごし方

(2017年2月6日掲載)

 眠れない夜は誰にでも一度は経験があると思います。特に何かに対する怒りで眠れない場合は、どのように過ごされているでしょうか。職場の口うるさい上司のこと、意地悪な同僚のこと、仕事が思うようにならないこと、友人から言われた嫌みなど、嫌な記憶が次々と甦ってきます。そのことに腹が立ち、さらに眠れなくなります。寝不足のまま職場に行くと、ぼーっとした頭で、つまらないミスをして上司や同僚からまた「頭にくるようなこと」を言われる悪循環に陥ります。

 この場合の熟睡するコツは、夜に考え事をしないことです。どうしてもろくなことを考えません。とくに注意したいのが「怒り」の感情です。寝る前に怒りの感情にとらわれると、心身が興奮してきて、眠気が覚めてしまうのです。あいつがこんな事を言ったとか、こんなひどい目にあったとか、ネガティブな感情がふつふつとわき起こりなかなか収まりません。

 「怒らない生き方」の著者上西氏は次のように言っています。何も考えないのが仏の修行、腹立たしい相手のことは考えないようにすることです。横になったら、「何も考えない。何も思い出さない。自分は誰も憎んでいない」と、心の中で念じる習慣を持ってみることを勧めています。お経を読むようにつぶやいてみることで、心身のリラックスした状態を作り出します。ラジオを聞いたり音楽を流すのも良いでしょう。

 人間は感情をもつ生き物です。仕事においても、うまくいかないときは怒り、悔しさ、他人へのねたみなど様々な感情がわき起こります。そのような感情が生じるのは人間であればしょうがないことです。肝心なのはネガティブな感情を引きずらないことです。また、こころのストレスは身体の緊張を解くことから始めると良いようです。とくに首や肩は情緒が不安定になると硬くなります。一時的であれ、力を抜いてほっとした時間ができればしめたものです。思考を中断する時間、ストレスから離れた時間を習慣化していきます。特に寝る前に実践できるようになるとよいでしょう。

―待合室で読める本から―

「摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語」(星和書店) アニータ・ジョンストン 著
本書には、古今東西の神話やおとぎ話が散りばめられており、これらの物語がもつメタファーの力を借りながら、読者である女性たちに、障害を克服するための具体的な指針が提示されています。
「双極性障がいと共に生きる」(星和書店) 加藤 伸輔 著
双極性障がいと診断されるまでに13年を要した著者が自身の体験をもとに、その症状ならびに確定診断されるまでの経緯、具体的な治療、双極性障がいと上手につき合っていくコツなどをまとめた内容となっています。
「自閉症スペクトラムの精神病理」(医学書院) 内海 健 著
精神科医が日々の診療場面で出会う青年期・成人期の「自閉症スペクトラム」(ASD)を対象とした臨床論。精神科臨床の基本である精神病理学のテイストを下地にまとめられたものです。
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