コラム「LOUNGE-12月号」 パニック障害−その3−
(2013年12月03日掲載)
今回は、「認知再構成」についてみていきます。パニック障害や広場恐怖のある人々は自分の思考には適切に反応しているのですが、この思考が状況にそぐわないものとなっています。状況を実際以上に脅威的だとレッテル貼りをしてしまうのです。たとえば、混雑した映画館において、“もしパニック発作になって外へ出られなかったらどうしよう”“私が不安になっていることを他の人が気づいたらどうしよう”と不安緊張が高まり、通路側の、出口に近いところに座り、落ち着いて映画が楽しめないということがあります。この場合、出来事への解釈と考えを変えることが出来れば、自分の感情のコントロールが可能になります。
長年の間に、パニックにつながる思考ができあがりますので、いつでも瞬時に不適切だとわかっていても同じ思考パターンが自動的に生じます。このような習慣を変えるためには、<第1段階:不安を引き起こす思考を同定する。第2段階:不安を引き起こす不適切な思考を論理的に否定する。第3段階:代わりのより適切な思考を考え出す。>ことで展望が開けてきます。不適切な思考パターンは習慣であり、習慣は努力と練習なしには変えられません。
不安を生じやすくする思考とは、パニック発作を引き起こす可能性への過大評価、ひどく恐ろしいものであるとの誇張、自己の対処能力への過小評価、正常な身体感覚への異常な事態が生じたとの誤解、特定の状況で生じていることを他の状況でも生じるとする全般化などです。このような思考のパターンを同定し、書き留めるなどして、代わりのより適切な思考を引き出します。そうすることで不安の程度が引き下げられます。新しい考え方はすぐには馴染みませんが、あたかも本当であるかのように振る舞ってみることから始めることです。
(「不安障害の認知行動療法」 星和書店 より抜粋)
―待合室で読める本から―
「血管と脳が若返る!」 (日経ヘルスプルミエ) 日経BPマーケティング
血管マッサージ、ウォーキング、ヨガの用い方に加え、腰痛や膝と頚の痛みの治し方について、図を用いながらわかりやすく解説しています。
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「40歳から意識したい女性ホルモンの力」 (マガジンハウス) クロワッサンMOOK
プレ更年期のチェック、ホルモン補充療法、漢方、サプリメントなどに触れ、40代から始まる女性の更年期への対処法が理解できます。
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「免疫力をアップする発酵食のすすめ」 (マガジンハウス) クロワッサンMOOK
免疫力を高める発酵食として、塩麹、米麹や味噌、乳酸菌、醤油・みりん・酢などを用いた調理法について詳細に書かれており、食を通した健康を考えるヒントになりそうです。
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