長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-6月号」ストレスと不安―音楽とアロマの効用―

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コラム「LOUNGE-6月号」ストレスと不安―音楽とアロマの効用―

(2013年06月06日掲載)
社会的、精神的ストレスの増大は、心を落ち着かせる副交感神経を抑え、交感神経を優位にさせてしまいます。これが不眠を引き起こし、気力、集中力の低下を招くことは、すでに解明されています。自律神経をバランスさせるには、自然に触れる森林セラピーや適度な運動、呼吸法など多様な方法があります。その中で気軽に副交感神経を刺激できるのが音楽です。モーツアルトやバッハなどは特に効果的であるようです。
ちなみに、脳内はセロトニンとドーパミンによって穏やかになったり行動的になったりとバランスを保っています。脳細胞は約1000億個あり、情報伝達と情報処理をやっていて、その調整は脳内の神経伝達物質が行います。活性化する時はドーパミン、穏やかにするときはセロトニンが、あたかも交感神経と副交感神経のように動いています。また、脳が活発に動いているときはベータ―波が出て、音楽を聴いて安らかになるとアルファー波が出ます。眠くなるとシーター波が出て、熟睡するとデルタ波が出るのです。寝る前に聴くと睡眠の質を改善させる効果もあるでしょう。
うつ的状態は脳のメリハリがない状態です。いつもふさぎ込み、落ち込み、集中力が低下します。そこで能動的な音楽療法と受動的な音楽療法を取り入れることで、不安や気分に良い影響があるようです。能動的には歌を唄うことであり、カラオケなどは脳を活性化します。受動的に音楽をBGMとして聴くことでも脳のメリハリがとれ、改善へと向かう効果が期待できると考えられています。
このように五感の中でも聴覚へのアプローチに加え、嗅覚に対するアロマセラピーもかなり有効です。特に不安に基づく気分の落ち込みにはラベンダーの香りが効果的です。ラベンダーによる心身のリラックス効果は、薬理学的にはその主成分である酢酸リナリルのもつ、抗不安作用、筋弛緩作用、催眠鎮静作用によるものと言われています。これらの作用は、心療内科でよく使われるベンゾジアゼピン系の薬物と大変よく似た作用です。外出時や仕事中など緊張を強いられる場面での不安や緊張に、抗不安薬を使用するのと同じくアロマの精油をかぐことで大きな効果が得られます。

―待合室で読める本から―

「ストレスマネジメント入門」(日本経済新聞出版社) 島悟 佐藤恵美 著
職場でのストレスを知り、積極的に働きかける方法について、1.ストレス要因を減らす、2.緊張を緩和する、3.ストレスに強くなる、3つのカテゴリーに分けて解説しています。
「職場ストレスでへこまない実践テクニック」(エクスナレッジ) 佐藤恵美 監修
職場ストレスの全体像を知り、認知的対処法、アサーション、コミュニケーション、セルフリラクゼーションなどの項目に分け、対人関係に焦点を当てた改善策を提案しています。
「急激なストレスからお腹を守る腸内リセット術」(ソフトバンククリエイティブ) 松生恒夫 著
急激なストレスを感じたときの腹痛や下痢、嘔吐など胃腸症状の起こる仕組みと対処法について明らかにし、ストレスから腸を守るための運動療法やリラクゼーション法について紹介しています。
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