長崎の心療内科 もとやま心のクリニック 発達障害

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症状と治療について

発達障害(ADHD)

職場において物忘れの多さや注意力不足が指摘され、業務をめぐり上司とのコミュニケーションがうまくいかないことで悩まれていることがあります。このような仕事や家事の段取りが悪く、空気が読めないなどの原因として、その方の生来の発達のアンバランスが関係していることが多いようです。本人自身の悩みでもありますが、職場の同僚や上司、家族が気づき、受診を勧められることもあります。ADHD(注意欠如・多動性障害)は、不注意や多動性、衝動性を特徴とする発達障害で、生活に様々な困難をきたします。大人になると多動性は弱まり、不注意や衝動性が目立つ傾向にあります。たとえば、会議中にそわそわしてしまう、貧乏ゆすりをやめられない、思ったことをすぐに言動に移してしまう、仕事に集中して最後までやりきれない、締め切りに間に合わないなどのことが日常的に生じ、指摘を受けても改善されがたいので、周囲とのコミュニケーションに障害をきたします。

これらの症状の主な原因としてあげられるのが、脳の構造や機能の問題です。脳内には、無数の神経細胞がはりめぐらされており、その橋渡しをして情報を伝えているのが神経伝達物質です。そのうち、ドーパミンとノルアドレナリンは行動や感情に関わる神経細胞の働きを調整してくれます。メチルフェニデートとアトモキセチンは、ADHDにおいて低下しているドーパミンとノルアドレナリンの濃度を上昇させ、注意・集中力を改善させます。投薬により情緒的に安定し集中力が高まることで、仕事上のミスが減り子供への暴力もふるわなくなります。次第に自信がつき仕事や家庭生活でも余裕が出てくることで、薬物に頼らない生活も可能になります。

ちなみに、職場や家庭でのコミュニケーションの問題が長期化し悪循環に陥ると、自己否定的な感情が優先するようになり、うつ病や不安障害を合併します。まずは、自分の生活の中での困難を理解し、対処方法を身につけていくことです。それには、周囲の良き理解者やサポーターが必要になります。同時に、自分を客観的にみていける「観察自我」を治療者と共に育てていくことが役に立ちます。そうすると、衝動や感情を自分のものとしてコントロールする術が身につき、これまで「できないと感じていた自分」が「できる自分」へと変化するのです。


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