長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-6月号」パーソナルスペースとは

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面接室からのたより

コラム「LOUNGE-6月号」パーソナルスペースとは

(2019年6月3日掲載)

 梅雨の季節になり、ジメジメと蒸し暑い日々が続いていますね。

 さて、皆さんがバスや電車などの公共交通機関を利用している場面を想像してみてください。利用者が少なく席が空いていると、ほっとして楽な気持ちになりますが、利用者が多く席がぎゅうぎゅうだと緊張してなんとなく嫌な気持ちになる、といったことはありませんか?人が密集する場面や状況で「嫌だな」「きゅうくつだな」と感じるのは自然な反応です。これは、自分の体の周りに持っている空間に、知らない人・親しくない人が入ってきたことによって起こる現象で、この自分だけの空間のことを “パーソナルスペース” と呼びます。

 例えば、次のようなことが皆さんの身の回りで起こっているかもしれません。

  • 相手は冗談のつもりで自分の肩を叩いたのに、自分は嫌な気持ちになっている・・・
  • 相手は悪気なく言ったことでも、自分は傷ついている・・・
  • 相手はそんな気にしていなくても、自分はそのことをずっと気にしている・・・

 上記のようなことは、自分と相手が逆の立場でも起こりうることだと考えられます。

 だからと言って、人と関わる時に必要以上に緊張しすぎたり、不安を感じたりしなくても大丈夫です。大切なことは、ひとりひとり “大丈夫” だと思える距離感・範囲が違う、ということを心に留めておくことです。

 自分がコミュニケーションをとろうとしている人が、どこまで近づいたら不快に感じるのか、「これくらい言っても大丈夫だろう」ではなく「これを言われたらどんな気持ちになるだろう」と想像してみてください。相手との間柄やその時の状況に応じて適切な距離感を保つことは、仕事やプライベートにおいて、和やかなコミュニケーションをとることに役立ちます。日常生活の対人面について、ちょっと振り返る・考えてみるきっかけになれば幸いです。

(心理 Y S 記)

―待合室で読める本から―

「アサーティブな話し方・伝え方」現  森田 汐生 監修  現代けんこう出版
アサーションはコミュニケーション上の問題解決に役立ち、メンタルヘルス不全予防などさまざまなメリットを組織、個人にもたらします。本書は、企業のメンタルヘルスケア・パワハラ防止・生産性の向上を主眼に編集されています。
「よくわかる新型うつ」  松崎 一葉 監修  現代けんこう出版
仕事の時だけ「うつ状態」になり、休職中には旅行に行くなど元気な様子が見られる「新型うつ病」は、従来のうつ病とは受けるイメージが異なるため職場などで混乱をきたす原因になっていることも多いようです。本書では、「新型うつ病」とはなんなのか、またその対処法について解説しています。
「メンタルヘルス セルフケアマニュアル」 吉野 聡 監修  現代けんこう出版
心を健康に保つには、ストレスをコントロールする意識と日頃のセルフケアが大事になります。本書では、「心の不調を予防する方法」から、「心が不調に陥ったときの対処法」まで、自分でできる心のケアを中心に紹介しています。
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