長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-1月号」他人の目を気にしてしまう人

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面接室からのたより

コラム「LOUNGE-2月号」雑談の話

(2019年2月1日掲載)

 人とのコミュニケーションで悩む人は少なくありません。よくある悩みとして以下のものがあります。 「何を話していいかわからない。」「仕事の話ならできるけど雑談となると話せなくなる。」「個人的な話題は苦手。」「つまらない人間だと思われないか不安。」「親しくない人と話すと緊張する。」いかがでしょうか。自分も同じ悩みがある、と思われた方もいるかもしれません。このような緊張や不安があると、うまく話せなかったり、雑談する場面を避けることもあるかもしれません。人とうまく会話することのできる人は、そうではない人に比べて、孤独感が少なく、対人不安が少ない、関係開始がうまい、関係維持がうまい、といった良い側面のあることがわかっています。しかし、こういった対人関係のスキルを学ぶ機会は少なく、社会生活を送る中で、自身で獲得していくものがほとんどです。

 では、雑談が苦手だという人にはどんな特徴があるのでしょうか。原因は様々考えられますが、1つの原因として、“深い話と浅い話の使い分けができない”ということがあります。あまり親しくない人に自分の悩みを語ってみたり、長い付き合いの人に表面的な話しかしていない等、浅い話・深い話の使いわけができていない場合、それが雑談を苦手にしている原因になっていることがあります。ほかには“事務的な話題に集中しがち”な人も雑談が苦手なようです。「今日の当番よろしく」「朝の朝礼お願いします」など事務的な会話ばかりだと、相手のことを知ることができず、相手からも自分のことをわかってもらえません。また、雑談が苦手な原因として“個人的な話ができない”こともあげられます。個人的な会話とは、その人の性格、興味、生活などに深く関わる話です。個人的な話ができない人は、あまり自分のことは出そうとしません。周りの人の話題や、自分とは関係のないことを話題の中心にします。仕事以外の場面でも、仕事の話題から離れることができず、個人的な会話に発展しません。

 これら3つの原因に対して改善策を考えてみます。まず深い話と浅い話の使い分けは、相手との関係性を考えることです。いきなり初対面で自分の悩みや相談をしたり、恋人や家族のことをあれこれ質問すると相手は困ってしまいます。一方で何度も会っている人に浅い話しかしないでいるとお互いについて深く理解することはできず、関係性は深まりません。深い話、浅い話はその人と自分の関係性をよくつかんで使い分けることがポイントです。事務的な話題に集中しがちな人の場合、質問するスキルを身に着けることが1つの改善策となります。例えば相手が「試合を観に行ったんだ」といった話に対して「ふーん」「そうなんだ」で終わると会話が広がりません。質問する実践としては5W1H質問法というものがあり、When(いつ)、Who(誰)、What(何を)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どのように)のことを指します。さきほどの試合観戦の例でいくと、「いつ観に行ったの?(When)」「誰と行ったの?(Who)」「どこに観に行ったの?(Where)」「何の試合を観に行ったの?(What)」「どうして試合を観に行ったの?(Why)」「どうやってチケット手に入れたの?(How)」という具合で聞いていきます。1つの話題でも会話に広がりが出てきます。最後に、個人的な会話が苦手な人への対応策としては、自己開示をしてみることがポイントになります。率直に自分の考えや経験、価値観、意見などを言ってみることで雑談がうまくいくことが期待できます。「自分ばかり話して悪いかも」「空気読めてないと思われたらどうしよう」と考えてしまう人もいるかもしれませんが、周りに気を使いすぎず、たまには空気の読めない発言もOKと気楽に考える気持ちでいることも必要です。人と話すことに苦手意識を感じている人へ、少しでも参考になれば幸いです。

(心理Aya.T 記)

―待合室で読める本から―

「いい人に見られたい症候群」  根本 橘夫著  文春新書
外界から期待されている自分を“代償的自己”とし、その中に秘められた“本当の自己”とは何か、自分を成長させ満足させるにはどうしたらよいのかについて考えさせてくれます。
「脳に悪い7つの習慣」  林 成之著  幻冬舎新書
“がんばろうとするほど結果にこだわってしまうのは悪い習慣で、目的を達成したいのであればプロセスにこだわることが大切”という、脳神経外科医でもある著者ならではの明快な語り口が面白いです。
「しがみつかない生き方」  香山 リカ著  幻冬舎新書
“〜ない”をキーワードに、こだわりのない生き方、普通の幸せを取り戻すためのヒントを与えてくれます。普通に生きるのも大変な時代なのかもしれません。
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