長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-10月号」仕事前の憂うつを和らげる方法

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コラム「LOUNGE-10月号」仕事前の憂うつを和らげる方法

(2017年10月2日掲載)

 朝、目覚めたとき、「仕事に行きたくないな」 「今日も1日イヤだな」と憂うつになる事はありませんか。実際に仕事に大きなストレスを感じているのであれば、このように「行きたくない」「憂うつだ」と感じるのは異常な反応ではありません。しかし「別に仕事に大きな不満があるわけではない」「具体的に何がイヤなのか自分でも分からない」にも関わらず、仕事前に憂うつになってしまう方は少なくありません。「仕事が大好きで仕方ない」という方はあまりいないでしょうから、仕事前に多少の憂うつさを感じるのは何もおかしい事ではありません。しかし苦痛に感じるほどの憂うつさが毎日続いているのであれば、これは精神衛生上あまり良い事ではないでしょう。特にこれといった理由もないのに、仕事前に憂うつになってしまう、これを和らげるような方法は何かあるのでしょうか。

 朝、仕事前に憂うつになると、一日がイヤな気持ちから始まってしまいます。このような時、「頑張らなきゃ!」「そんな弱気な事を考えちゃダメだ!」と自分を奮い立たせる事で乗り切ろうとする方もいらっしゃいます。しかし、本当は憂うつなのに、「憂うつなはずがない。頑張れ!」と無理矢理自分を奮い立たせる事は、自分の気持ちをウソで塗り固めているだけです。短期間であれば自分を騙して頑張る事も出来るかもしれませんが、このような自分を騙すような方法は長続きしません。本心と表面的に塗り固めたウソの気持ちのズレはストレスとなり、長期的にみれば憂うつさはより悪化してしまうでしょう。それよりも、「仕事はすごく楽しいものではないのだし、ある程度憂うつになってしまうのは仕方ない」と憂うつが出てしまっている事を受け入れた方が気持ちは楽になります。憂うつさに限らず、精神的な症状はそれを無理矢理消すのではなく、「受け入れる」事が有効である事が多々あります。

 さらに、仕事に対して憂うつさを感じてしまう一因として、日頃から仕事に対してネガティブな発言をしていると、自己暗示にかかってしまいます。このような自己暗示から逃れるには、日々仕事に対して必要以上に憂うつになる言葉を使わない事です。何となく口癖のように「仕事がだるい」「仕事がめんどう」「仕事を辞めたい」と言ってしまうような節があるのであれば、そのような口癖は意識して発さないようにした方が良いでしょう。その時は多少気持ちが楽になるかもしれませんが、「仕事=ストレス」という認識を無意識のうちに強めてしまいます。その結果、長期的にみれば仕事に対するマイナスイメージを強め、自分を苦しめる事になってしまうのです。また、自分なりの目標を作る事が大切です。毎日の仕事に対して、何か目標がないような方は、目標を立てるようにしてみましょう。直接仕事上の目標だけでなく、「この仕事が終わったら旅行に行こう」などといったものでも構いません。自分が作ったゴールが見えるだけでも、憂うつさを感じにくくなるものです。

 朝、すっきりと目覚める事が出来ると、気持ち良く一日のスタートを切る事が出来ます。睡眠時間が不十分だと、目覚めも悪く、朝に憂うつを感じやすくなります。また寝不足が長期間に渡れば、精神的に不安定な状態が多くなるため、慢性的に憂うつになってしまいます。長時間眠る必要はありませんが、少なくとも「疲れがちゃんと取れている」と感じる程度には睡眠時間を取るべきです。成人の方の適正な睡眠時間は6〜8時間程度であるため、まずはこのくらいの睡眠時間を目安にすると良いでしょう。私たちの体内時計は、約24時間で1単位のリズムを形成している事が知られています。この体内時計のリズムが整っていると精神的にも安定し、憂うつさを感じにくくなります。体内時計は「光」によってリズムが調整されており、朝に光を浴び、夜に強い光を浴びないことが大切です。体内時計の崩れは、睡眠の質を悪化させるだけでなく、精神状態も不安定にし、憂うつさを引き起こしやすくなります。朝、軽い運動をして身体を目覚めさせる事は、朝の憂うつさを改善させるために有効です。簡単なストレッチや散歩、軽いジョギングなどで十分です。朝の憂うつさが低血圧から来ている場合は、運動によって身体を目覚めさせる事で血圧が上がりますので、これも憂うつさを和らげる作用が期待できます。

(「せせらぎメンタルクリニック」サイト参照)

―待合室で読める本から―

「歩くだけで不調が消える 歩行禅のすすめ」  塩沼 亮潤著  KADOKAWA
無用な苦しみから解放され、心穏やかに、健康に長生きするための生活術として、歩きながら心を整える「瞑想+ウォーキング」の効果的メソッドを紹介。著者が千日回峰行で得た「人生の歩み方」についての悟りを、誰もが日常生活で実践できるプログラムとして公開しています。
「悩みの9割は歩けば消える」  川野 泰周著  青春出版社
不安、怒り、イライラを感じるとき、問題の解決策が浮かばないとき、ほんの数分歩くだけでも気分が晴れたり、「こうすればいいのか」と思いついたという誰もが経験することをもとに、精神科医で禅僧の著者が、脳、心、体、マインドフルネスといった様々な角度から、科学的なエビデンスと禅の考え方をベースに「歩く」ことに光をあてます。
「認知症は歩くだけで良くなる」  長尾 和宏著  山と渓谷社
日本社会は刻々と大認知症時代に向かっています。現在、65歳以上の4人に1人が認知症かその予備軍。その割合は年々高まっていて、ゆくゆくは65歳以上の2人に1人が認知症という時代がやってくるといわれています。本書では「認知症」と「歩くこと」の関係について、詳しく解説しています。
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