長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-11月号」摂食障害の誘因と対処法

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コラム「LOUNGE-11月号」摂食障害の誘因と対処法

(2016年11月08日掲載)
 摂食障害の誘因についてはどのようなことが考えられるでしょうか。1.社会からのプレッシャー:私たちの行動は、置かれている社会環境から強烈な影響を受けます。痩せていることに価値を見出さない社会では、摂食障害はほとんど見られませんが、バレエ学校のような痩せていることが重視されるところでは、摂食障害がより多く見られます。西洋文化では「痩せていることが美しい」のです。テレビや新聞、雑誌では、偶像視された作りもののようなスリムな人たちの写真が溢れています。そのため、いつしか多くの人がダイエットを試みるようになります。一部の人たちは極端なダイエットにより、拒食症に陥ってしまうのです。2.「オフ」スイッチがない:いくらダイエットをしても、大抵の場合、きちんと食べなければならない時期を身体が教えてくれます。拒食症の人には、このような体内「スイッチ」がないこともあり、危険な状態にあっても体重を落とし続けられるのでしょう。3.コントロール:ダイエットはとてもやりがいのあることもあります。体重計に乗り1〜2キロ減っていると達成感があり、このように目に見える形で自分自身をコントロールできると気分がいいものです。人生の中で、唯一自分でコントロールできるのは体重だけなのかもしれません。4.思春期:拒食症は、男性では陰毛や髭、女性では胸の発育や月経などという身体の成熟を遅らせることがあります。したがって、成長に伴う変化、特に性的に成熟していくことによる変化から逃れるのには好都合なのかもしれません。5.家族:食べることは、人と一緒に生活する中で重要な一部分です。食べ物を受け入れれば相手が喜ぶし、断れば相手を心配させてしまうでしょう。とりわけ、家族の間ではそうです。食べ物を「いらない」と言うことが、唯一の感情表現だったり、家族の問題に対する主張だったりするのかもしれません。いっぽうで、愛情あふれる家族はよく、摂食障害の結果起こることから本人を守ろうとします。その結果、摂食障害が長引くことがあります。6.うつ状態:落ち込んだ時や、あるいはただ退屈なだけも、私たちの多くは安らぎのために何かを口にしてしまうものです。過食症の人は気分がふさぎ込んでいることが多く、憂さ晴らしの方法の一つとしてむちゃ食いを始めてしまうかもしれません。残念ながら、吐き戻したり下剤を使っても、いやな気分のままでしょう。7.自尊心の低さ:拒食症と過食症の人はたいてい自分のことを大事に考えておらず、他の人よりも劣っていると思いがちです。減量することは、自信や自尊心を得るための方法なのかもしれません。
 それでは自分でできる対処法について考えていきましょう。決まった時間に朝食、昼食、夕食をとります。体重がとても少ない場合は、朝、昼、夜に間食をしましょう。健康的な食べ方に向けて、初めの一歩を踏み出すことに集中します。朝食に気が進まないなら、朝は数分だけテーブルに座り、水を飲むだけでもかまいません。慣れてきたら、ほんの少しだけ、トーストを半分だけでも口にしましょう。これを毎日の習慣にするとよいでしょう。いつ何を食べたか、どんな事を考え、何を思ったか、毎日のメモに残してみましょう。感じたことや考えたことと食べ方がどのように関わり合っているかを知ることができます。隠すことは、摂食障害に関連した問題の中で最も孤立してしまう原因になります。何事も完璧でなくてもいい、と自分に言い聞かせましょう。時には自分自身を楽にしてあげましょう。たとえ痩せたとしても、短期的には気分がよくなるかもしれませんが、もっと長い目で見ると、より心配になり気分が落ち込むかもしれないことを自覚しましょう。2つのリストを作りましょう。一つは摂食障害で何を得たか、もう一つは何を失ったかを書くのです。そして、自分にとってのベスト体重を知り、なぜそうなのかを把握しましょう。この病気を克服した人たちの経験談を読み、減量やスリムな体型を勧めるようなウェブサイトを見ないようしましょう。
(「日本語版こころの健康ガイド」より抜粋)

―待合室で読める本から―

「夫とふたりでもうまく暮らすコツ」(メディアファクトリー) 青沼 貴子 著
 結婚から25年。子育てに追われているうちに夫との関係も微妙に変化し、今となっては“互いに留守なほうが気が楽”という状況。そのような、子どもの巣立ちを直前に控えた、アラフィフ夫婦の逡巡が描かれています。
「50歳からのつらい症状にはこれしかない!-『更年期』を元気に乗り切る方法 -(頼りになるお医者さんシリーズ)」(ワニブックス) 高橋 浩子 著
 つらい症状があるのに、年のせい、神経質なせいと、きつい言葉を投げつけられ、傷ついている50代の女性。自分のバランスのどこが崩れているのか、チェックリストをもとに導きだし、症状別に予防と改善の方法が伝授されます。
「50歳前からのココカラ手帖 (Sanctuary books)」(サンクチュアリ出版) 高橋 陽子 著
 著者は50代を目前にした女性。ある日、自分の心と体の状態が「なんか変だな?」と気づきます。診療内科、ジム、エステなどに通い、専門家の知識を学びながら、明るい50代の過ごし方を探していく模様をコミックで紹介しています。
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