長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-8月号」砂糖依存症(甘いものがやめられない)とは

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コラム「LOUNGE-8月号」砂糖依存症(甘いものがやめられない)とは

(2016年08月09日掲載)
 常に甘いものがそばにないと落ち着かず、疲れたりストレスを感じたりすると甘いものが欲しくなることはないでしょうか。甘いものを手放せないのは「砂糖依存症」かもしれません。毎日のようについ口にする「砂糖」には、依存性があり、うつ病や骨粗しょう症などを引き起こす原因になりえるのです。食事や甘いものを摂取すると、消化酵素で分解されたブドウ糖で体内の血糖値が上昇します。糖の中でも砂糖は分子が小さいために体内でブドウ糖に分解されやすく、特に空腹時に砂糖を摂取すると血糖値が急激に上昇します。その結果、血糖値を下げる働きを持つインスリンが一度に大量に分泌されて血糖値が急低下し、「低血糖」状態を引き起こします。そして、体内が「低血糖」状態になると、脳がエネルギー不足で「空腹だ」と勘違いし、「甘いもの(糖分)を摂取して血糖値を上げろ」と信号を出してしまうのです。このため、砂糖を摂取した後、空腹でないにも関わらず繰り返し砂糖を欲するようになります。
 砂糖を摂取すると脳の中でドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質が分泌されます。これらはそれ自体、もちろん危険な物ではないのですが、人に幸福感や癒やしを与える麻薬のような性質を持っています。身体が疲れたときや、ストレスを感じるたびに甘いものを食べて幸福感や癒しを得るようになると、この快感がクセになり、やがては中毒のように「砂糖を取ること=幸せになる」と無意識に脳が感じるようになってしまいます。快感を得るために砂糖を摂る、この状態に陥るのが砂糖依存症です。「砂糖」は甘いお菓子だけではなく、清涼飲料水やパン、スープなどの加工食品、調味料にも含まれていますので、普段甘いお菓子を食べない人でも知らず知らずのうちに砂糖を大量に摂取し、砂糖依存症になる可能性があります。
 常習的に砂糖を多く摂取すると「糖尿病になる」と言われがちですが、その他にも様々な弊害があります。糖質は消化される際にブドウ糖になり、これが代謝機能に働きかけることでエネルギー源に変わります。この消化の際に必要なのが、体温の維持や食べ物の消化、脳の働きなどに重要な働きをするビタミンB群や、カルシウムなどの栄養素です。 甘いものをたくさん食べるということは、体内でそれだけの糖分を消化するために、ビタミンB群やカルシウムも大量に必要になってきます。そのため体内にこれらの栄養素が不足すると、身体に悪影響が及び、様々な弊害が起こるのです。砂糖の過剰摂取でビタミンB1が不足状態になると、脳神経がエネルギー不足になり、気持ちが安定しなくなって、興奮したり落ち込んだり、すぐにイラついたり、緊張しやすいなど、うつ状態に陥ります。また、体内のミネラルやビタミンが慢性的に不足状態になると、ブドウ糖がエネルギーに変化しにくくなり、体温が上がらずに低体温を招きます。そして、体が冷えることによって便秘になったり、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなったりすることも考えられます。
 砂糖や甘いものを生活から完全に排除するのは、砂糖依存症ではなくても非常に難しいことです。無意識に食べてしまったり、我慢できない状況になってしまわないように、砂糖を控えるコツがあります。引き出しやキッチンなどすぐ手が届く場所にお菓子を常備するのをやめましょう。また、何気なくコンビニへ行ったり、買い物のついでについついお菓子を買ってしまう習慣も、意識して改めていきましょう。空腹を感じたり、甘いものが食べたくなったときは、砂糖やお菓子の代わりにフルーツやドライフルーツ、さつま芋など自然な甘みのものを食べるようにしましょう。しかし食べ過ぎはNGです。しっかり噛んで食べ、食べ過ぎないように気をつけましょう。疲れたからといって甘いものでごまかすのではなく、まずは休憩をとり、温かいお茶やコーヒーを飲んで一息ついて、自分を労わりましょう。ウォーキングやストレッチなど適度な運動や、規則正しい生活を取り戻し、夜更かしはやめて十分な睡眠をとることが肝要です。玄米や豚肉、野菜を中心としたビタミンB群やミネラルが豊富に含まれる食品を中心に摂取しましょう。これらの食材は甘いものの過剰摂取で不足した栄養素を補給し、脳が砂糖を求める悪循環を防ぎます。
(「健康:知って得するヘルスケア情報」より抜粋)

―待合室で読める本から―

「Dr.クロワッサン 自律神経が整えば健康になる (マガジンハウスムック)」(マガジンハウス)
自律神経のバランスが崩れることで、体にはさまざまな不調が起こります。自律神経が乱れる要因について、5人の異なる専門分野の医師から、自律神経を整える方法を伝授されます。
「新しいことを始めたい! 私が変わる! 新習慣 (e-MOOK)」(宝島社)
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