長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-10月号」アルコールとうつ

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コラム「LOUNGE-10月号」アルコールとうつ

(2015年10月05日掲載)
 大人はお酒を美味しいと思うものです。お酒を飲めばリラックスでき、特に少し内気な人は誰かと話しやすくなるでしょう。反面、車の運転や機械の操作ができなくなることや、決断を下す能力に影響が出るでしょう。お酒を飲み続けると呂律がまわらなくなり、足元がおぼつかなくなり、翌日後悔するようなことを口にしてしまったりします。さらに飲み続けると、大体の人は眠くなり、めまいや吐き気を感じ、意識を失うこともあります。翌日にはお酒を飲んでいる時の出来事を覚えてないこともあるでしょう。アルコールは、数時間だけ気持ちよくいるには最適な手段です。もしあなたが落ち込んでいて、何もする気になれないと感じていたら、アルコールの力で、日常生活をなんとか乗り切ろうと考えるでしょう。問題は、アルコールは習慣になりやすいということです。アルコールによる恩恵などすぐに薄れ、飲酒が日常の習慣の一部になってしまいます。
 アルコールに依存し始めると、下記のような点に気付くようになります。自分の意志で飲むのではなく、飲まずにはいられなくなる。目覚めた時に手が震えていたり、イラつきを覚える。お酒を飲み始める時間が、どんどん早くなる。飲酒によって、人間関係にも影響が出る。飲酒がもたらす問題から眼を逸らして、お酒を飲み続ける。かなり飲まないと、今までと同じような効果がでてこなくなる(慣れが生じる)。お酒のこと以外はあまり重要ではなくなる、などです。長期におよぶ影響としては、他に誰もいない場所で声が聞こえる(精神病状態)、アルツハイマー病に似た記憶の問題が生じる(記憶障害)、脳や肝臓などの臓器をいためる(身体的問題)などの症状がでます。
 アルコールとうつにはどんな関係があるのでしょうか。自傷行為や自殺は、飲酒の問題を抱えた人々により多く見られます。アルコールとうつとの間には、二通りの関係があります。常に飲み過ぎる(暴飲も含む)ことで、うつ状態になる。不安や落ち込んだ気分を和らげるために、お酒を飲む。どちらの場合も、次のようなことが起こるでしょう。アルコールは脳の働きに影響を与え、うつになるリスクを増やします。二日酔いによって、起床時の気分の悪さ、不安、神経過敏、罪の意識を感じるなどの悪循環が始まります。友人や家族との口論や仕事上の問題、記憶や性生活に問題が起こるなど、人生がつまらなくなるでしょう。また、同じ体重の若者と比べ、高齢者では、脳や筋肉、肝臓などの、脂肪のない極めて重要な器官に多くのアルコールが蓄積されます。つまり高齢者に対しての方が、アルコールの及ぼす影響が大きいのです。
 うつの症状があってお酒を飲んでいる人の多くが、お酒を断つことで数週間のうちに気分が良くなることが知られています。ですから、通常は、まず先にお酒の飲み方を見直すとよいでしょう。もしお酒を止めて2〜3週間しても気分が良くならなければ、うつの治療に目を向けるべきでしょう。数週間禁酒すると、より健康で、気持ちが晴れてくるものです。友人や家族は、あなたと接しやすいと感じるかもしれません。もしあなたの気分が軽くなったとしたら、うつの症状は飲酒によるものと言えます。もし、お酒を止めて4週間経っても憂うつなままなら、医師に相談しましょう。あなたの気分の落ち込みがが、日常生活の思わぬ局面からくるのであれば、あなたの気持ちを話すことが有効かもしれません。主な原因としては、人間関係や失業、離婚、死別や喪失などです。カウンセリングも助けになるでしょう。
(「日本語版こころの健康ガイド」より抜粋)

―待合室で読める本から―

「アルコールとうつ・自殺-死のトライアングルを防ぐために」(岩波書店) 松本 俊彦 著  
自殺予防対策に奔走してきた精神科医が、様々な調査や統計データ、診療経験をもとに、適量を越えた継続的な飲酒が、うつ状態や睡眠障害、ひいては自殺への衝動をどのように助長するのかを詳しく解説。家族や友人、同僚、医療者等に求められる認識と行動の要点が述べられています。
「新型うつな人々」(日本経済新聞出版社) 見波 利幸 著
社員に軽く注意をしたら不調を訴え会社に来なくなったなど多くの相談者をカウンセリングした著者が、急増する「新型うつ」の実態を事例から掘り起こすとともに、社員を「新型うつ」にしないための対策や、ストレスマネジメント法まで、対処法を提案しています。
「おでこを冷やすだけで心と体が元気になる!」(三笠書房) 小林 敬和 著
体が芯から温まる・免疫力が上がる最強メソッド。たった1分間、氷をおでこにのせておくだけで、全身の不調がみるみる消え、疲れない、病気を寄せつけない体になる「おでこのすごい力」について解説しています。
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