長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-9月号」強迫性障害について

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コラム「LOUNGE-9月号」強迫性障害について

(2014年09月03日掲載)
 強迫性障害(OCD)とは、自分でもコントロールの利かない不快な考え(強迫観念)が頭に浮かび、その不快な考えや気分を振り払おうとして、様々な行為(強迫行為)を行う疾患です。学校から帰宅するやいなや衣服を脱ぎ捨て風呂場に直行し、長時間にわたってシャワーを浴びつづけたり、教科書など学校で用いた道具に触れるたびに手を石鹸で何回も洗わないといられなくなったり、「親が死ぬ」と考えると「大丈夫死なない」と10回声に出して唱えないと不安でいられない、雑誌を必ず2冊買い、一方は包装のまま保管し続けるなどの強迫症状はよく見受けられる愁訴の一つです。最近、その発現要因の中心に遺伝子に規定された生来性の脳機能障害があると理解されており、心因論や親子関係の特殊性、ストレス因などは二次的なものと思われています。
 この障害にとらわれた人は、焦り、落ち込み、恐れている場所や人に近づきたくないため、人とも疎遠になり行動範囲も限られたものとなり、中には一歩も外出できなくなる人もいます。客観的にはこのような症状が明らかにおかしいと知っていて、バカバカしく人から見れば奇妙に思われるという感覚もあるのですが、一度その罠にはまったら簡単には抜け出せなくなります。症状はなぜか気になるといった程度のものから生産的現実的な活動がまったくできないほど苦痛を感じているものまであり、より後者の方が治療の対象になります。また、強迫症状は必ずしも神経症だけに生じるものでなく、境界性、精神病性の各水準に分けて考える必要があり、治療内容も異なってきます。
 一般に、強迫症状を成り立たせている生物学的治療として薬物治療は有効です。第一選択薬とされているのは、SSRI(フルボキサミンとパロキセチン)と三環系抗うつ薬のうちセロトニン再取り込み阻害作用の強い塩酸クロミプラミンであります。SSRIは投与開始期に出現しやすいアクチベーションシンドロームなどの副作用に配慮が必要です。学習理論に基づく行動療法も併行して行われます。例えば、儀式的手洗い行為を含む不潔恐怖への治療として、汚いと感じる対象物にあえて触れ(曝露)、一定時間手を洗うことを我慢する(反応妨害)という一連のチャレンジと行動コントロールのプログラムです。これを行うには、明確な動機付けをもち、治療者との協力体制が必要です。

―待合室で読める本から―

「よくわかる 強迫性障害―小さなことが気になって、やめられないあなたへ (セレクトBOOKS こころのクスリBOOKS)」(主婦の友社) 有薗 正俊著 上島 国利監修
「わかっているのに、やめられない…」強迫性障害の症状と治療法について、わかりやすい解説とイラストで、ていねいに紹介されています。患者さんにもご家族にも読みやすい1冊です。
「悩まない…あるがままで今を生きる」(ダイヤモンド社) 矢作 直樹著
“視点を変える。足るを知る。それだけで人生は輝く。”救急医療の現場で命と向き合ってきた医師が語る、与えられた人生を、悔いを残さず生き切る秘訣が述べてあります。
「NHKためしてガッテン やせるスイッチ 太るスイッチ女性のための成功ダイエット」(メディアファクトリー) 北折一著
体の中の「やせるスイッチ」をONにする方法について、糖質をきちんと摂ると、“太るスイッチ”がオフになるという、ガッテン流のダイエット指南書です。
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