長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-5月号」ストレスと頭痛

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コラム「LOUNGE-5月号」ストレスと頭痛

(2017年5月9日掲載)

 「ストレス」というと悪者のようなイメージを受けますが、適度なストレスであれば心身に大きな害を来たす事はありません。適度なストレスを受けると身体が緊張状態になるため、集中力や作業能率を上げることが出来ます。いざという時に力を発揮するためにも、適度なストレスというのは必要なものでもあります。一方で過剰なストレスを受け続けてしまうと、ストレスは心身を徐々に害を与え始めてしまいます。ストレスは身体、そしてこころとあらゆる部位に様々な症状を引き起こします。ストレスで生じることが多い症状の1つとして「頭痛」が挙げられます。「ストレスで頭が痛くなる」という経験をした事がある方は多いと思います。ストレスで心身に症状が生じるのは、主にストレスホルモン(副腎皮質ホルモン)の乱れ自律神経系の乱れの2つが原因だと考えられています。ステロイドの作用に、体液量を増やすことで血圧を上げるという作用があります。ストレスを受けたとき、私たちの身体はストレスと闘おうとしますので、血圧を上げて身体を戦闘態勢にするのです。このような脳の血圧上昇に伴う血管の収縮・拡張や脳の血液量の増大は、頭痛の原因の1つになります。また自律神経系の乱れも、頭痛の原因となります。自律神経は全身に分布しており、頭部にも当然分布しています。リラックスしているような状態では、自律神経系のうち副交感神経というリラックス系の神経が活性化しています。この状態だと頭部の神経もリラックスしており、頭部の筋肉も適度に緩んでいます。しかし反対にストレスがかかったときは交感神経という緊張系の神経が活性化します。緊張時は筋肉が収縮するため、頭部の筋肉も収縮し、頭を締め付けるため、これも頭痛の原因になります。

 ストレスで頭痛を生じることのある代表的な疾患として、偏頭痛(片頭痛)があります。偏頭痛はストレスで生じることがあります。また疲れや睡眠不足などがあると更に生じやすくなる事が知られています。偏頭痛の原因は「脳血管の拡張」だと推測されていますが、近年はそれだけでなく様々な原因が重なった結果として偏頭痛が生じるのではないかと考えられています。また、ストレスによって頭部の筋肉が過剰に収縮してしまうと、筋緊張性頭痛が生じます。筋緊張性頭痛は、頭部の周りを覆っている筋肉の緊張によって生じるため、「頭が締め付けられるような」痛みを感じることが多く、また頭部だけでなく首や肩も痛むことがあります。ストレスで頭痛が生じたときの対策はストレスから離れることになります。実際は、「それが出来れば苦労しないよ」という話であり、そう簡単に離れられるものではありません。しかし少しでも距離を取る、離れる時間を増やすことを意識することが大切なことです。また、ストレス発散の手段を持つことも有用です。頭痛の原因はストレスですから、一番の解決策は「ストレスから離れること」に尽きます。しかしこれは現実的な方法ではないため、現実的に大切になるのは、「受けたストレスを発散できる場を持つこと」になります。ストレスを無限に溜め込める人はいません。どんなにメンタルが強そうに見える方であってもストレスを受け続ければ必ず症状は現れてしまいます。

 ストレスを発散する方法はたくさんありますが、「自分が心から楽しいと思える行動」か「副交感神経を活性化させる行動」のどちらかを満たす行動をとるようにしましょう。「自分が心から楽しいと思える行動」というのは、その人によって異なるため、一概に言えるものではありません。「カラオケで思いっきり歌う」「友達に心ゆくまで愚痴を話す」「スポーツで汗を流す」などが人気の行動ですが、人によって異なります。また、「副交感神経を活性化させる行動」というのは、「リラックス状態」を作れるような行動です。例えば、「銭湯で温泉にゆっくりつかる」「静かな場所でゆっくりと好きな本を読む」「いつもより少し多めに眠る」などがあります。ストレスを受けているときというのは、生活習慣も悪くなりがちです。ストレスから過食、やけ食いする、食生活が不規則になる、睡眠不足となる、タバコの本数が増える、アルコール飲酒量が増えるということはみなさんも経験があるのではないでしょうか。これらの行動はどれも更に頭痛を悪化させてしまう行動になります。ストレスを受けているときこそ、このような行動を控えることが大切です。ストレスがひどいときこそ、意識して、三食規則正しく食べる、夜はしっかり眠る、タバコやアルコールは控えめにを意識すると、頭痛がどんどん悪化することを防ぐことが出来ます。

(せせらぎメンタルクリニックサイトより抜粋)

―待合室で読める本から―

「認知行動療法トレーニングブック」(医学書院) 大野 裕 訳
認知行動療法の手技が構造的にわかりやすく解説されています。DVDが付属しており、臨床家のみならず一般の方にとっても、学習書として理解しやすい内容です。
「マインドフルネス最前線」(サンガ) 香山 リカ 著
 現代医療が仏教瞑想を取り入れ、心身医療の現場で用いられているマインドフルネス。欧米のIT企業でも導入される瞑想の技術について、人文から医療にまたがる4人の専門家との対談形式を通して、心と脳の科学の現在を明らかにしています。
「ブッダの瞑想法」(春秋社) 地橋 秀雄 著
 ヴィパッサナー瞑想の全体像を、理論面と実践面から解き明かした入門書。瞑想する意識の構造や認知のシステム、さらに瞑想の効果と効用にいたるまで、なぜ瞑想するのかの意義が理論的に明快に説かれています。
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