長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-5月号」休職の繰り返し・長期化を防ぐためには

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コラム「LOUNGE-5月号」休職の繰り返し・長期化を防ぐためには

(2015年05月11日掲載)
 メンタル疾患が原因で休職に至った場合、体の病気とは異なる特徴的な経過をたどるので要注意です。うつ病は小さな波を描くように推移しながら病状が回復していく傾向があります。この点に注意し、「まだ回復途中なのではないか」「小幅な悪化が訪れても就労に耐え得るかどうか」をまず念頭に置く必要があります。「職場復帰に関する適切な評価」は、休職の繰り返しを防ぐために最も大切な点です。焦りや不安からの、早すぎるタイミングでの職場復帰は、職務の負荷から病状の再燃を招きます。就労に耐えられなくなって再休職に追い込まれ、結果的に休職の長期化を招きかねません。
 そこで、専門家の意見や客観的な根拠が参考になります。休職時は主治医からの休養を要する旨の診断書の提出と本人の了解があれば、必ずしも産業医面談は必要ありません。しかし、復職時は、産業医や心理カウンセラーとの面談の機会を設けた方がよいのです。産業医のいる会社での職場復帰評価のステップは、大まかに(1)本人からの職場復帰する意思の表明→(2)本人の同意を得た上での主治医による意見書の取得→(3)産業医の意見を交えた会社の復職判断―となります。主治医による復職可能の判断は、本人の意向が強く反映されていたり、「症状が安定し日常生活可能な状態」で行われることが多いので、必ずしも「就労可能な状態」とは限りません。主治医は病状を評価できても、職務内容や職場状況を詳しく知ることはなかなか難しいからです。
 ここで、復帰先の職場に精通した産業医の意見が有用になります。産業医は、本人、主治医、職場それぞれの情報から、職場の受け入れ状況、職務内容、本人の健康状態などを総合して、本人が就労に耐えうる状態かどうかについて専門的・中立的な立場から意見を述べます。ですから、産業医には本人の情報だけでなく、職場の意向や復職予定部署、想定される業務内容がきちんと伝わるとスムーズです。休職に入る時点で、復職時の流れが理解されておくと不安も軽減されます。最終的な復職判断を下すのはあくまで会社ですが、産業医の意見は人事担当者にとって強力なサポートになります。それでも判断に迷うような場合、産業医が主治医に「職場復帰に関する診療情報提供依頼書」を出して、より詳しい主治医の意見を得ることも可能ですし、本人同意の下、上司と人事担当者が診察に同行され、その場で職場復帰について話し合うことも可能です。
 職場復帰の基本的な姿勢は「通常勤務(定時勤務)が安定して行えること」「周囲が安心して仕事を任せられる状態」ですが、最初から通常勤務が難しい場合は、公的機関や医療機関の復職支援施設を利用する方法があります。また、職場でも可能な支援として「通勤訓練」があります。通勤訓練とは1〜2週間の期間、休職中に模擬通勤を行うものです。一般に出勤がまずひと仕事のように感じる方は多く、うつ病の方にとっては、特に負担感が強いことが考えられます。事前に通勤の負荷に耐えられるかどうかを確認しながら、体のリズムを休職状態から就労に近い状態へ戻していくことで、復職の失敗を減らすことができます。いきなりフルタイムでの復職が難しい場合もあります。もし、配置替えや業務内容の調整によって短時間勤務や負荷の少ない業務から始める準備ができれば、復職後に小さな悪化の波が訪れた場合でも対応しやすくなります。軽減勤務を経て、段階的な復帰の選択肢を準備できれば、復職者にとって非常に大きな助けになります。すべての会社や職場でできることではありませんが、再休職のリスクを軽減できる可能性もあります。1カ月程度で通常(定時)勤務にしていきましょう。
 最後に復職後のフォローアップについてです。職場に戻ってしばらくは、「迷惑をかけてしまった」と周囲への申し訳ない気持ちから過剰に気を遣ったり、人間関係にブランクが生じたことによる孤独感を感じたり、あるいは、休んだ分を取り戻そうと頑張りすぎることがあります。そういった不安や焦りを把握し軽減していくために、通常勤務後も定期的なフォローアップを行い、必要に応じて時間外労働や出張の制限、早番・遅番の制限などを検討することが必要です。自分からは違和感や不調を言い出しにくい傾向がありますので、復職後半年程度は、上司・人事面談や産業医面談などを定期的に行い、労働負荷の調整や段階的な残業制限の解除をすることが有用です。
(石井りな「休職の繰り返し・長期化を防ぐための対応とは」より抜粋)

―待合室で読める本から―

「NHKためしてガッテン 科学のワザで脳から若返る。 (主婦と生活シリーズ)」(主婦と生活社)
日常生活や仕事に役立つ記憶力&集中力アップ術、もの忘れ防止術、アルツハイマー病を予防する生活術など、脳若返りの裏ワザを紹介。さらに、認知症の早期発見法や介護法など、知っておきたい認知症の情報も役立ちます。
「Dr.クロワッサン 脳を刺激して心と体をラクにするエクササイズ (マガジンハウスムック)」(マガジンハウス)
フェルデンクライスとは、いろいろ自由に動いてみながら、ラクな動き方を脳に気づかせるエクササイズです。筋トレやストレッチとは違い、筋肉に指令を送る、脳そのものにアプローチします。
「Sports Graphic Number Do Early Summer 太らない生活 2014 (Number PLUS)」(文藝春秋)
炭水化物抜きのように極端な方法から、運動を主体にしたものまで、多くのダイエット方法が載っています。自分の体質・生活・性格に合う方法を探す参考になります。
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