長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-11月号」「マインドフルネスストレス低減法」のすすめ

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コラム「LOUNGE-11月号」「マインドフルネスストレス低減法」のすすめ

(2014年11月10日掲載)
最近、米国を中心とする企業が社員教育の一環として、瞑想を利用した「マインドフルネス」を取り入れていることが話題になっています。NHKニュース「おはよう日本」でも紹介されておりましたので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。マインドフルネスは瞑想だけではなく、意識を落ち着かせ思考を明瞭にするためのさまざまな方法を教えてくれます。企業がこの方法を取り入れている理由の一つとして、リーダーシップを最も阻害するのは知能指数の欠如や職務の厳しさではなく、集中力と健康を維持することの難しさであると言います。そして幹部としての厳しい生活に備え、頭と体、精神を定期的に回復させるための日課、たとえば瞑想、日誌の執筆、ジョギングやエクササイズ、長距離のウォーキング、などを大切にしています。重要なのは、内省を習慣的に行うことで、毎日の決まった流れから自分を引き離して、仕事と人生についてじっくり考え、自分にとって本当に大事なことを見極める、その機会を持つ必要があるのです。それは成功にも、幸福と長期的な充実感にもつながります。
では、マインドフルネスとはどのようなものでしょうか。以下“現代精神医学事典(弘文堂2011)”からの引用です。『1979年にジョン・カバットジンによりマサチューセッツ大学医学部にストレス低減プログラムとして創始された瞑想とヨーガを基本とした治療法。慢性疼痛、心身症、摂食障害、不安障害、感情障害などが対象となる。ジョン・カバットジンは鈴木大拙の禅に影響を受け、仏教を宗教としてではなく人間の悩みを解決するための精神科学としてとらえ、医療に取り入れた。その基本的考えは、煩悩からの解脱と静謐な心を求める座禅に軌を一にしている。マインドフルネスの語義は”注意を集中する”である。一瞬一瞬の呼吸や体感に意識を集中し、”ただ存在すること”を実践し、”今に生きる”ことのトレーニングを実践する。これにより自己受容、的確な判断、およびセルフコントロールが可能となる。マインドフルネスは認知行動療法に取り入れられ脚光を浴びるようになった。しかし、認知行動療法は認知の変容を目指すのに対して、マインドフルネスは認知のとらわれからの解放を誘導する。』
つまり、他者からの、または、自分自身の評価、判断にとらわれず、「いま、ここ」に注意を向けている状態であり、ネガティブな感情もポジティブな感情も客観的にとらえている、または、味わっている状態であり、また、いま自分が行っている行動や頭の中にある思考、心にある感情を客観視しながら、受け入れている状態といえます。正確にはマインドフルネスストレス低減法といって心理学的治療の一つです。今米国の多くの心理学教室にはマインドフルネスセンターがあり、仕事、家庭、経済に関するストレスを抱えた人、慢性疼痛の患者、不安症やパニック障害の患者、過敏性腸症候群の人、不眠や疲労に悩む人、高血圧症や頭痛患者、そしてうつ病の回復期の人が数週間から数か月間のプログラムに通っています。マインドフルネスはうつや不安症の医学的治療効果だけでなく、健常人の生活の質を高める作用もあります。今後の広い活用が望まれます。
(東京マインドフルネスセンターHPより一部引用)

―待合室で読める本から―

「魂のことば」(廣済堂出版) 山川 紘矢 山川 亜希子 著
スピリチュアルの領域の本を多く訳された著者による、人生の学びに関する解説です。元気にさせてくれる著者の温かいメッセージが伝わってきます。愛の言葉を操れる人は愛にあふれた人生を創ることにつながります。5つのテーマに関する208の言葉を収録。
「ありのままで生きる (天と人をつなぐ法則)」(マキノ出版) 矢作 直樹 保江 邦夫 著
『人は死なない。では、どうする』で話題の矢作直樹・東大教授と、物理学者・保江邦夫氏が、魂とは、病とは、神に信頼される生き方とは、などについて自由闊達に語られています。
「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」(キングベアー出版) スティーブン・R・コヴィー 著
ビジネス書のベストセラー『7つの習慣』は、人生哲学の定番として親しまれています。『7つの習慣』が本来持つ「人格主義」に基づき、原書に忠実に訳し直されています。豊かな人生を望むすべての人に必読の書。
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