長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-6月号」すこやかな眠りへの誘い

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面接室からのたより

コラム「LOUNGE-6月号」 ―すこやかな眠りへの誘い―

(2012年6月4日掲載)
 「最近どうも眠れない。以前はこんなことなかったのに」と思うことはありませんか?昨年の今頃でしたか、テレビで地震の報道を見て以来眠れなくなったという方が多く来院されました。今の世の中、様々な情報に囲まれ、ストレスを感じないで生きることは不可能に近いようです。気がかりなことや、いやなことがあってなかなか寝つけないということは誰にでもあることです。多少眠れなくても、数日で解消されるなら問題はありませんが、それが長く続くと、眠りによって保っていた心身のバランスが崩れ、昼間の生活に支障を及ぼすようになります。そこで、不眠の様相についてみていくことにしましょう。
 やはり一番多くみられますのが、仕事に関する緊張状態が帰宅後も持続し、それが原因で不眠になる方です。昇進や業務量の増加によりノルマに追いかけられ心身が休まらない状態、上司との相性が悪く、その言動に傷つくことにより心が疲弊してしまう状態などです。ストレス性の抑うつ気分からくる不眠であることが多いので、気分の調整を図ることが睡眠の改善につながります。そして、いわゆる「喪失体験」も不眠をきたします。大切な人を失う場合、たとえば配偶者に先立たれる、恋人を失うなど、そこに何時もいた人がいなくなることでの寂しさや孤立感からくる不眠もありますし、事故やけがで自分の身体機能を一時的に喪失したことでの不安・焦燥感に苛まれることでの不眠があります。
 このように、眠れない原因や状況因を明らかにしながら、不眠のタイプをみていきます。最も多いのが入眠困難で、不安や気がかりなことがあるときに、いざ寝ようとしてリラックスすると、思考が活発になり目がさえるのです。悩み事があるときにみられ、朝まで眠れないということもあります。うつ病に多くみられるのが中途覚醒と早朝覚醒です。途中で目が覚めると再入眠が困難で、暗いうちから目が覚めてしまうタイプです。この場合、昼間の気分や身体の状態を確かめる必要があります。また、下肢がムズムズして眠れないというのは、レストレス・レッグス症候群かもしれません。
 睡眠を改善させるのに、毎日の行動で気をつけたほうがよいことがあります。朝に太陽を浴びて体内時計のスイッチをオンにすることです。家の周りを軽く散歩したり、カーテンをレースにして自然光が入ってくる工夫をするのもよいでしょう。朝から熱めのシャワーを浴び、食事をとり、コーヒーを飲むことで覚醒度を高める方法もあります。休みの日は長く寝すぎないようにすることも大切です。そして、昼食後の眠気は自然なものですので、15分程度の仮眠は午後からの作業効率を向上させます。日中パソコンなどによる業務が多い方は、帰り道を歩くなど体を動かすのは良い眠りに不可欠です。寝る前はストレッチなどのリラクゼーションが心地よい眠りに誘ってくれます。アルコールは寝付きを良くしてくれますが、眠りは浅くなりますので、できるだけ控えたほうが無難です。ちなみに、睡眠導入薬は、依存して手放せなくなってしまうのではないかと危惧される方もいますが、適切な見立てのもとに定量を服用することで、とくに心配になるようなことはありません。不眠のタイプによる使い分けが必要ですので、専門医に相談されることが肝要です。

―待合室で読める本から―

絵本はこころの処方箋(瑞雲舎) 岡田達信著
子どものころから親しんできた絵本に、大人になった読者が再び触れようとするときに手引きになる書物です。巻末に50冊の書物が推薦してあります。
絵本の力(岩波書店) 河合隼雄他著
心理学者・河合隼雄、作家・柳田邦夫、編集者・松居直がそれぞれの立場で、人生後半に読むべき絵本の魅力について語っています。絵本がどのように現代人の生き方とかかわっているか理解できます。
幸せの絵本(ソフトバンククリエイティブ) 金柿秀幸編
「絵本ナビ」という参加型の絵本情報サイトが一冊の本になったものです。多くの人の支持を得た絵本ベスト100冊が、詳細な解説とともに掲載されています。
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